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11日 説明があったあと…
この日、医師から説明をうける。
その時、初めて親父が末期癌患者だと家族が認識する。
一刻一刻と親父の命の炎が弱くなっていくように感じた。
物事が事務的に進んでいく。
「延命・蘇生は、どうしますか?」
婦長さんが私達に聞く。
母親は、子供達に任せると。
姉は延命について、親父をこれ以上苦しめたくないと拒否をする。
他の兄弟も、促せられるように同意する。
母親も…
母親からすれば、一分一秒でも長くこの世に生がある状態でいて欲しかったと思う。
しかし母親は、子供達が決めた事だからと、静かに感情を抑えて同意する姿が、とても強く、そして哀しく見えた。
その後、慌てて東京のアニキに連絡。
東京のアニキは、電話の先で動揺を隠せない状態であったが、夕方までに来ると言った。
長男と弟は、葬祭会館の手配。
母親と姉は、もしもという時に、親父に着せる浴衣を取りに実家へ。
私は、東京のアニキを迎えに行くまで、一人で病室に残る事となった。
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