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「郁ッ!そんな恥ずかしい事を…」
「クスッ。恥ずかしい?それってつまり僕に脈ありってことかな?」
「ち、違う!///」
「照れ隠しをする君もまた、興味をそそられるね」
(…もう、キザな奴なんだから)
「さぁ、一緒に教室に行こう?」
「?ええ…」
―――――――
―――――
―――
しばらく歩くと3-Ⅱと書かれた表札が見えた。
「やっと着いたぁ!」
「そうだね。ねぇ?刹那」
「ん?何」
「何で今日はこんなに遅かったのかな?」
「あ、ああ…それは」
「寝坊かな?」
「そう、それ!今日は特に眠くて」
「クスッ。刹那らしいね」
「褒めてんの?それ」
「さぁ?どうだろうね」
「何よそれ。まぁ、良い…」
「邪魔」
「えっ?」
急にドスの低い、明らかに苛立っている声が後ろから聞こえてきて振り返るとそこには刹那の第三候補の婚約者である、竜崎財閥のご子息・竜崎渚が立っていた。
「あっ、おはよう」
「邪魔、と言っている」
「あぁ!ごめんね」
「謝るくらいならさっさと退け」
「なっ!?」
冷ややかな表情で刹那を見る瞳はいたって冷たく光っている。
(こいつだけは苦手なのよね…)
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