53人が本棚に入れています
本棚に追加
春の陽気が感じられる3月のとある日にまだ小さかった私は両親に連れられてある一軒家に来ていた。
「お母様?ここはどこ」
小さく首を傾げる私の隣で母は優しそうに微笑いながら言った。
「此処はね…貴女が誰かに嫁ぐまで貴女の支えになってくれるパートナーが居る所なのよ」
パートナーって何?、と言いたそうな娘の顔を見て母は私を連れていく。
「いずれ分かるわ」
優しそうな声音で呟く母の言葉は小さな私には理解できなかった。
「ほら、あの子が貴女のパートナーになる人よ。挨拶してらっしゃい」
私の背中をポン、と男の子の前に押し出す。
「は、初めまして。私の名前は紫条刹那です!宜しくね///」
「は、初めまして。ぼ、僕は///神崎湊斗と言います」
挙動している彼の手を私は優しく取り握手をした。
―――これが私・紫条刹那と彼・神崎湊斗の初めての出会いだった。
最初のコメントを投稿しよう!