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「到着致しました」
着いた先はセレブだけが通えるセレブだけの学校とも言える私立・聖アルシフォン学園。
外は花壇が植えてあり毎日のように庭師が世話をしている。裏庭に行けば温室がありセレブ達の暇潰しのお茶会が開かれている。
中は全教室全てに冷暖房管理が施されており有意義に勉強が行われる様にしてある。他にもプールや舞踊会、映画館などもある。
そして…何よりもこの学園の見所は「淑女養成講座」があることだ。
いわゆるセレブとしての品位ある行動・言動を学ぶ為の授業。
そんな学園に通えるのはセレブ中のセレブであるごく数人だけ。
私、紫条財閥の娘である刹那もその中の一人である。
「では、行って参りますわ」
「行ってらしゃいませ」
一礼をして主を見送っている湊斗を背に学園に入る。
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(ふぅ。やっと落ち着ける)
口煩い執事から解放された刹那はうーん、と背伸びをする。
ポン、と軽く背中を叩かれる。
「ごきげんよう。刹那」
「ご、ごきげんよう…」
「クスッ。ご無理をしてまで言わなくても宜しくてよ?」
「あ、有難う…柊」
「構いませんわ。それよりも朝から眉間に皺を寄せてどうなさいましたの?」
「えっ…ああ、いつものだよ」
「まぁ!湊斗さんの事かしら?」
「そう!朝から口煩いったらありゃしない」
「きっと刹那の事が心配で堪らないのよ。分かってあげたら?」
「柊まで…そりゃ分かってはいるけど湊斗は一々細かいんだもん」
「あら。それが執事としての責務じゃないの」
「そうだねー(棒読み)」
「クスッ。刹那らしいわね」
「あはは…」
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