☆ささやかな日常☆

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隣で微笑ましくしている彼女は岐城財閥のご令嬢・岐城柊(キジョウヒイラギ)。私と同じ聖アルシフォン学園に通うお嬢様で私の親友。 見た目は朱色の髪で短いショートヘアが幼い顔に似合っている。深緑がかかった碧の瞳が気丈らしい顔立ちを際立せる。 「柊はさ…家を継ぐの?」 「あら。どうしてかしら?」 「えっと。…嫌にならない?」 「それはあるけれど家を継ぐことが私の責務だもの。受け入れるのが当たり前よ」 「そっかぁ。柊は偉いね」 「そんなことありませんわ。それよりも刹那は家を継がない気でいるのかしら?」 「うん、まぁね!」 「何がそんなに嫌なのかしら?」 「ただ…親が引いたレールの上を生きてくのが嫌なだけ。だって私個人の意志なんて必要ないみたいじゃない?」 「そうね。でも…私達にはそれに抗えるほどの権力がないわ」 「そう、だけど…でも私は嫌だからさ。せいぜい抗ってやるわ」 「…刹那が羨ましいわ」 「えっ?何か言った、柊?」 「いえ。何でも有りませんわ」 「そう?…なら良いけど」 「それよりも早く行きましょう!遅刻したら長いご指導がありますわよ!」 「げっ!?それだけは断固阻止」 「クスッ。では参りましょうか」 「あ、うん」 二人は急いで(優雅に)学園の門まで走る。しかし刹那の頭の中では柊が一瞬見せた、曇った顔だけがとにかく気掛かりだった。
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