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「大丈夫な訳ねぇだろ」
「本当に大丈夫だからッ!!あっ…そろそろ時間だ!!じゃぁね勇介!!」
アタシが慌てて鞄を持ち、家を出た。
「ちょッ!!待てよッ!!俺も行く。」
そう言って追いかけてくる勇介。
「ギョワッ!!何で追いかけて来るの!!」
「心配だからに決まってんだろッ!!それにお前女の子なんだからせめてキャーにしろよ!!」
「そんな暇ないっつーの!!」
アタシが横断歩道を渡ろうとした瞬間、人とぶつかった。
「フワァッ!!」「ウォッ!!」
―ドテー―
アタシとぶつかった人は一緒にしりもちを着いた。
「ごめんッ!!君大丈夫!?」
そう言って手を差しのべてくれた。
「ごめんなさいッ」
アタシは自力で立ち上がり彼に頭を下げた。
「あれ?もしかして…愛チャン?」
ん?
アタシこの人と知り合いだったっけ…?
「そう…ですけど…何でアタシの名前を?」
「そりゃぁ愛チャンと言ったら…勇介がぁ…」
「あーきーらーくーん?♪今何言おうとしたのかなぁ?」
後ろを向くと、勇介が満面の笑みでそこに立っていた。
いや…でも目は笑っていない…。
「ゆっ勇介!?ヤッベ逃げろー!!」
そう言って彼は学校の中へ入っていった。
そんなに聞かれたくない秘密なのかな…?
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