アッサムティーを淹れたわ

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「アッサムティーを淹れたわ」   この日も彼女は僕にアッサムティーを淹れてきた。   紅茶をよく知らない僕はもちろんアッサムの意味なんて知らない。   今携帯に内蔵されている辞書で調べようとしたがどうやら登録されていないようだった。   ウィキが使えたらすぐに解るんだろう。   しかし生憎この文章を書く事を止めないとウィキは使えない。   パソコンが使えれば   「アッサムティーを飲まないの?」   不意な言葉で僕の考えは打ち消される。   アッサムティーをごり押しする彼女。   以前彼女に問いた事がある。   「君はアッサムの意味を知っているのかい?」   答えはNOの一言だった。   無理もない。   この文章の書き手が替わるか、ウィキが使える環境にならない限りこの物語にアッサムの意味を知る人物は登場しないのだから。   知識もないのにアッサムティーを淹れる彼女。   人に勧める割にはこちらから淹れてやると本気で嫌がる彼女。   僕には彼女の考えがわからない。
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