~ 第2幕 顔合わせ ~

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 顔合わせは劇場の2階にある会議室で行われた。  口の字に並べられた机には、キャストとスタッフが座っている。  正面には演出、舞台監督、プロデューサーが陣取っている。  隼人と弦はその右斜めに並んで座っていた。  弦は小声で、 「あれが、つかだこうへいか!?」  と、隼人に言うと 「そうだ…」  と、同じく小声で答えた。 「えー皆さん、こんにちは…」    突然に、プロデューサー助手らしき男が口を開き、初顔合わせ式が始まった。 「今回、『平成版 蒲田行進曲』の公演にあたり演出のつかだ先生よりご挨拶頂きます。先生宜しくお願いします…」 「演出のつかだです。こうして皆さんと一緒に芝居を創るというのも何かの縁です。この縁を大切にしましょう。私からは以上です」  あまりにあっさりした挨拶に弦は、 「えーっ。めっちゃ普通じゃん」  と、顔をそむけたまま、またまた小声で言った。  その後にプロデューサーや舞台監督の挨拶があったが弦は退屈そうに、頬杖えを付いたていた。  そんな弦の態度を、隼人は“ヤツなりの緊張隠し”と思って黙っていた。
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