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―秋本 弦(アキモト ゲン)。
28歳。
東条とは高校の同級生で、同じ演劇部にいた仲間であり無二の親友だった。
「まさか、こんな所で会うなんてなぁ~」
東条は久し振りの再会に驚きはしたが、それ以上の喜びを見せていた。
「高校卒業して、こっち出てきて劇団入った…ってのは聞いてたんだけどな」
「あー。知ってたんだ」
「けど、それだけだよ…」
「俺は10年間、隼人の事ずっと見てたぜ。お前、すげぇな!大したもんだよ!」
「いやぁ…運が良かっただけさ」
「俺なんか相変わらず売れない劇団員でバイトばっかさ…」
泥だらけの顔と手…。
コーヒーを飲む2人の会話は撮影所に響き渡り、弾んでいた。
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