揺れる心

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美加は兄に報告する為に一度トイレに寄った。鞄から携帯を取り出して、兄のアドレスを見つけて電話をかけた。繋がったが留守電だった為メッセージを残した。 「兄さん?今日間宮兄妹に夕飯を誘われて、これはイイ機会だから誘いを受けたのでご飯は一人で食べてね」 携帯を鞄にしまうと沙姫達の元へ合流した。美加は慶介の隣だと胸がドギドキしていると自分でも解る。そして美加だけでなく、弘樹も沙姫の笑顔に顔が少しだけ赤いのが分る。美加は言わなくても分かった。自分も同じなのだから…。 帰ると侑斗は勿論耕助と賢吾が待っていた。 『おかえり。慶介兄さんと沙姫いらっしゃい椿さんとお客さん』 「慶介と沙姫遅かったな」 「重たそうだから、ダイニングに運ぶな」 言った順に侑斗、賢吾、耕助だ。美加と弘樹は戸惑いを隠せない。復讐相手の家族なのだが、穏やかでどこか落ち着ける場所に感じていた。 「おっ!今日はチーズフォンデュか!」 「久々だね」 と買い物袋から買ったものをテーブルの上に置いた。賢吾は嬉しそうな顔になる。必要なものをキッチンに置いて、沙姫と侑斗は調理を始める。
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