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規則正しい電信音が数回聞こえた後に翔太が出て来た。
「美加。どうだった?」
「上手く行ったよ。間宮沙姫と侑斗にも会えたし」
兄は一方的に話を進めて、美加の気持ちを分かっていない。聞いている間は切なくなった。
「明日は弘樹と沙姫にするけど偽名が決まらないんだよな~」
以外に脳天気な兄に呆れていた美加は、ため息を吐いた。
「おまっため息したな!」
「私が考えた『成瀬隼人』で良かったじゃん!」
「ネーミングセンス悪いな~『大野幹太』だろ!」
「…弘樹が決めた方が早いね」
と美加の一言で決着が付いて携帯を鞄の中に入れた。冷たい物が頬を伝う。見上げると雪が降っていた。美加は何故か切ない気持ちに締め付けられる。感情は何かは知らない。今までこんな事はどうにでもなったり、気のせいだったりする。いつもの様に…
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