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選手入場って事で、入場したのはええんやけど……。
「おい、ちょっと待て」
「どうしたん?さーやん」
あたしの前に並んでいる誠司先輩が振り向いた。
その前にいる空も不思議そうに振り向く。
「あきらか、あたしってアンカーやんな?」
晃くんが第一走者やろ?
そっから考えて数えていくと、あたしはアンカーになる。
「当たり前やん、さーやん。さーやん以外に誰がアンカーすんの」
「誰でもええやん!!あたしじゃなくても、たくさん逸材はいますけど!?」
「紗也先輩。俺らの補習免罪は、紗也先輩にかかってます」
「それってプレッシャーか!?プレッシャーかけたんか!?今!!」
あたしの思いとは裏腹に、無残にもリレーが始まった。
係の人にタスキが渡される。
『私がアンカーでっす』
っていう、アホみたいなタスキ。
ふざけんな!!
なんであたしやねん!!
そんな思いで走ってる晃くんを見た。
いやいや。
二チームに分かれてるけどさぁ、黄色チーム両方とも遅くね?
普通、どっちか速いはずやん。
なんで、5位と6位やねん。
ていうか、あたしらと違う黄色チームのヤツ
めっちゃデブやし、めっちゃ遅いし。
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