寺田恵・山下一樹

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なぁ神様。 あたし、一体 何しました? 隣を見ると純にベタベタの恵ちゃん。 前方を見ると、あたしの顔を見てニコニコしてる山下一樹(やましたいつき)くん。 今日転校して来た二人や。 可愛い女子に興奮する男子と、悩殺の可愛い笑顔の男子に興奮する女子。 そんな人達を差し置いて、恵ちゃんは純に一直線。 一樹くんはあたしに一直線。 何で? しかも、転校生二人とも同じクラスって 校長、面倒やからって適当にしとんちゃうぞ。 あたしはため息をついて一樹くんを見た。 「えっと……。一樹くん」 「何?紗也ちゃん」 「何であたしの前におるん?」 「言うたやろ?紗也ちゃんが好きって」 そう。 一樹くんはいきなりあたしの席まで来て 『好きです』 って言うたんです。 思い出すだけでも恥ずかしい。 「でも一樹くん。あたしら知り合って、まだ1時間やで? そんな、好きって言われても……」 「昨日、教室で劇の練習してたやろ」 え? .
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