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なんとなく幻想郷に行くと決めたはいいが、肝心の行き方がわからない。
唯一の手がかりは俺の家にあったこの幻想郷についてかかれた歴史書だが、幻想郷の世界観やどういった奴らが生活しているかについてばかりで行き方等の詳しいことは一切書かれてなかった。
書いてあることで気になったのは、現代と幻想郷を自由に行き来できる妖怪がいると言うこと。
この妖怪にこっちで会ってうまく交渉すれば幻想郷に連れてってくれるだろうか…
現にこの妖怪は気まぐれで現代人をたまに幻想郷に送り込んでしまうことがあるらしい。
やはりこの方法が一番有力だ。
しかし、あくまで会えるのが前提条件である。
会えなければ全てが意味をなさない。
ひとりの人間とひとりの妖怪がたまたま出会う確率ってどのくらいだろうか。
ましては向こうは異世界の住民…
宇宙人やツチノコを見つけだすのより大変な気がしてきた。
一番の有力な情報だが、可能性が低すぎる。
また別の方法を考えるしかないか…
そう思い一時間ほど幻想入りするための方法を考えたが、その妖怪に出会い、幻想郷に連れてってもらう以外の方法は考えつかなかった。
俺は結局考えるのをやめ、例の妖怪に出会えることを望みながら、日課であるランニングをするため家を出た。
走るときなるべくその妖怪に出会えるようにいつもよりゆっくり走っていたのだが、結局その妖怪に会うこともなくランニングを終えて俺は家に帰ってきた。
決して期待していたわけではないが、やっぱり会えないのは悔しい。
どうにかして幻想郷に行く方法はないものか…
ドクンッッ―――!!
必死にそんなことを考えてたらいきなり発作が起こった。
最近は本当によく発作が起きる。
死が近いということだろうか…
とにかく一刻も早く幻想郷に行って、薬師に会わなければ…
俺はかなり焦っていた。
毎日毎日死ぬまで死の恐怖に怯えながら生きていくのは嫌だ。
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