プロローグ

8/9
前へ
/140ページ
次へ
いくら俺が謎の病に悩まされているとは言え、あくまで立派な学生である。 当然学校には通ってるわけだが、やはり第一印象というのは大切である。 入学してすぐの時は俺もほかの生徒と同じように見られていたが、たった一度だけ学校で発作を起こしたら、病弱で可愛そうな人。というイメージがついてしまった。 そのせいかはわからないが、高校は中学のときと比べて友達はできなかった。 また、授業中は体が動かせないため、昼休みに一人で勝手に学校の外周を走ったりして、発作を抑えたりもした。 休み時間にこんなことをしていれば友達ができないのも仕方ないかと走りながらに思った。 手軽に運動ができるということで陸上部に入ろうとも考えたが、毎日運動してる割には体力が皆無で、自分のペースで運動したいということで部活には入らなかった。 いじめられてるわけでもなければ、一緒につるむ奴もいない。 クラスに一人はいる根暗で地味な存在… それが俺だった。 そんな感じで1年がたった。 俺たちは2年生に進級し、クラス替えでまた新しい仲間と1年を過ごすのだ。 とは言っても、友達がいなかった俺にとっては別にどうでもいいことだが… また、なんだか最近学校の連中がウザく感じてきた。 レベルの低い学校だから不良ややたら騒ぐ馬鹿がいるのは当然だが、そんなのではなく先生や普通のクラスメートにも苛立ちを感じていた。 反抗期か? そんなことを考え、ろくに気にはしなかった。 そんなことより、2年生になってから気のせいか、発作がまた起こりやすくなった気がした。 最初はたまたまかと思っていたが、次も、その次の発作もいつもより早く起こった。 あんまり考えたくなかったが、遂に体に限界が来たのか…? 元々1年前に死ぬ予定だったのだから、ここまで生き延びただけでもかなり奇跡に近いことなんだが、やはり死が恐かった。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

476人が本棚に入れています
本棚に追加