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退部してからしばらくは、今まで野球に使っていた時間をどう使うか考えるので忙しかった。
しかし、やりたいことはたくさんあったはずなのに、時間がたくさんあるときにかぎって何も思いつかない。
不思議なものだ。
退部してから2度目の日曜日の12時を少し回ったころ、中学のときによく遊んでいた森山敬吾に電話をかけてみた。
3回目の呼び出し音が鳴り終ると同時に電話はつながった。
敬吾の眠そうな声が携帯から聞こえた。
「どうした。久しぶりだな」
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