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「俺は正直、お前らがうらやましかった」
独り言のように圭吾の口から出たその声は、いつものそれより少し優しく聞こえた。
圭吾の顔はいぜんと明るかった。
「ほら、俺って何をやっても人並みで自分でも何をやりたいのか…、
何をやったらいいのか分からなくなることがよくあるんだ。
その点、お前らには野球があった…
お前らが自分で決めたことにごちゃごちゃ文句つけるわけじゃないけど、正直もったいないと思う」
目の前にある圭吾の瞳はまっすぐに僕を射抜いていた。
少しだけうつむき、再び顔を上げた圭吾は少しだけ時間をあけて口をあけた。
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