2009年 夏

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ゆっくりと深呼吸をして、ボールを握りなおす。 左足を高く上げ、その反動を利用して右腕を思いっきり振りぬく。 バッターが見送ったそのボールは、まっすぐはミットに吸い込まれていった。 大吉は小さくガッツポーズをして見せて、ミットの中のボールを投げ返した。 ボールを受け取った俺は小さくうなずきそれに答えた。 次のサイン。 アウトコース低め、ストライクからボールに外れるシンカー。 まったく注文が細かい相棒だ。
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