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大吉は小さくOKサインをつくる。
たっぷり一呼吸置いて、ミットめがけて渾身の力でボールを放る。
そのボールは大吉の構えるミットには収まりはしなかったが、間違いなくは俺のベスト10に入るほどの1球だった。
事実、ストレート並みの球威があったその球に相手の打者は球種を間違え、変化のためバットの根元にあたった。
何のことはない平凡なセンターフライ。
正直、勝利を確信した。
夢にまで見た甲子園のチケットを手に入れることができる。
そう考えただけで、言葉にできないくらいの興奮と震えがくるくらいの達成感が同時に訪れた。
悪くない感覚だ。
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