序章:生誕

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 ライナは、産湯と清潔な布を用意し、加熱殺菌した鋏を傍らに置きます。 準備を整え、誕生を待ち構えたその時です。 キュリア様が一際大きく声を上げられたと同時に、元気な産声を上げ、赤ちゃんが誕生されたのです。  途端、赤ちゃんの産声と共に、誕生を祝う歓喜の声が、辺り全体を包み込みました。  ライナはへその緒を切った後、取り上げた赤ちゃんを産湯につけ、汚れを優しく落としてやりました。 「ライナ……。赤ちゃんは……。」  キュリア様が嬉しそうに。かつ、心配そうにライナに問い掛けます。 すると、ライナは白い布に包んだ赤ちゃんをキュリア様の側に置き、優しく微笑みかけながら、告げました。 「キュリア様、おめでとうございます。元気な王女様です。」
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