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-----三月最後の日。
明美が俺の為にご馳走を作ってくれた。
久しぶりに親父も揃い、家族で夕飯を食べた。
・・・と言っても、優輝がいたのはたった十分。
飯を食べおわると、すぐ部屋に籠もってしまった。
いつもは明美が優輝の部屋の前に飯を運び、部屋で食べて出てこない。俺の誕生日だからと、明美が優輝を説得し、どうにか出てきたというわけだ。
『幸輝、誕生日おめでとう』
リビングを出ていく前に、振り返って笑顔で言った。・・・精一杯の笑顔だった。
『は~、食った~♪もう腹いっぱいだ~!明美、ご馳走様!』食べた皿を片付け、二階に上がると・・・
『これ・・・』
部屋のノブにパーカーがかけられていた。
パーカーにはカードが張りつけてある。
[誕生日おめでとう、このパーカー欲しがってたからあげる。お古でごめん]
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