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僕が親から名前を呼ばれても気にしないのと同じようなもんなのかな?
しかし何故、喜ぶ?
ワケがわからず三人の後をついていく。
今日は、朝から変わったことばっかりだなぁと思いなが学校をあとにした。
四人で歩きながら、とりあえず僕は柊に謝ることにした。
「柊さん、朝はごめんね。
まさか話しかけてると思わなくて、緊張したんだ。」
柊は振り向いて、にっこり微笑んだ。
「い~よ♪
今度からは、もっと話そうね♪」
少し照れてるようだ。
何故??
翔子もフォローを入れる。
「一ノ瀬って、あんまり喋らないから、会話が下手くそなのよね。」
それは、フォローなのか?
と言うか、
今度からもっと話そう?
目立つじゃないか!
とか考えていたら、岸川が口を開く。
「ところで、一ノ瀬の用事って何なんだ?
この美女二人の誘いを断るほどの重要なことなのか?
俺が一番最初に誘ったんだけどさ。
マキちゃんが一ノ瀬を誘えるならいーよ、とか言うもんだから。」
翔子が少し、顔を赤くして叫ぶ。
「栄司!それは言わない約束でしょーが!」
やっぱり翔子か…
岸川は、なはは、ごめんごめんと手のひらを合わせて謝りながら、僕の方を向く。
「で?どうなんだ?」
僕は返答に少し悩んだが、正直に言うことにした。
「駅前のスーパーに夕飯の買い出し。」
岸川が呆れた顔した。
「マジかぁ?
そんな理由で、美女の誘いを断ろうとするなんて!」
翔子も呆れた顔をしていたが、柊は笑っていた。
時間は、午後1時。
僕は夕飯に間に合えば、問題ないよな。と思いながら歩き出した。
そのとき、あの白い犬のことなど、すっかり忘れていた。
僕の頭の中は『卵を買わないといけない』でいっぱいだった。
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