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外に出ると、みんなが待っていたのだが、翔子が怒っているようで荒れていた。
「なによ!
あのオヤジ!
目を閉じろとか言うから、怪しくて薄目で見てたのよ。
そしたら、スケベそうな顔して、私の胸を触ろうとしたのよ?
鉄拳制裁してやったわ!
占いなんて、ロクにしてないし!」
なるほど。
マイケルが倒れていたのは、翔子のせいだったか。
「マジかぁ!
そりゃ、許せんなぁ!
俺には、なかなかの結果だしてくれたんだけどなぁ。
あずさちゃんと一ノ瀬はどうだった?」
岸川が翔子をなだめながら、僕と柊の方を振り返った。
「ん~。
あずさは、まずまずかな?
自分次第で良い方にも、悪い方にもなるんだって♪」
柊がチラッと僕の方を見た。
「特に何もなかったよ。」
言っても信じてもらえないと思い、さっきのことは言わなかった。
それにしても、白い犬と穴…か。
白い犬は何かひっかかるんだけど、やっぱりわからなかった。
「だいたい、穴がキーワードって何よぉー?
あのセクハラオヤジめぇー!」
翔子はまだ、ご立腹のようだ。
ん?
穴?
「マジかぁ?
穴って、俺も言われたぞ?」
岸川が驚いて、聞き返す。
「あ、あずさもだよ!」
そんなことがあるのか?
占いで、四人とも同じことを言われた?
いや、僕だけはあの人じゃなくて幻覚みたいなものだし。
一人で考えこんでいる、僕の前に翔子が歩いてきた。
「一ノ瀬も言われたワケ??」
頷くと、みんなが驚く。
「あの人って、何者?
ただのセクハラオヤジじゃないのかしら?」
翔子は、さっきの怒りがどこかに行ったみたいで、不思議がっている。
「評判いいって、言ってたろ?
よく当たるんだってよ?」
そう言った岸川本人も、納得いってなさそうな顔をしていた。
「何か、気味悪いね?」
柊がそう言うと、みんなはますます無言になった。
「まぁ、考えても始まらないし、帰ろうぜ?」
岸川がそう言うと、みんなもそう思ったみたいで、帰ることになった。
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