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……あれは、小学一年生のこと。
僕は今と違って、明るくて、物事をハッキリ言う性格だった。
翔子といえば、反対に内気で人見知りが激しい子で、よく周りから、からかわれていた。
「まきもなまえ~♪」
「なまえがふたつある~♪」
いつも、モジモジしていてハッキリしないために、僕が気付いた時にはすでに、イジメの対象となっていた。
「しょーこちゃんをいじめるなっ!」
僕は幼なじみで、仲が良かった翔子を当然かばった。
しかし、それがきっかけで、イジメの対象がその日から僕に変わった。
「なんだ~こいつ~!」
「ゆきだって~♪」
「おんなみたいななまえ~♪」
「おんなとあそんでるし~♪」
まだ子供とはいえ、イジメは恐ろしい。
僕は集団で毎日のように、からかわれた。
何度となく泣かされる日々が続いた。
母親に泣いていたのを気づかれ、学校に訴えたが学校側はイジメを否定。
そして、学校に行かなくなった。
それがトラウマとなり、今に至る。
今思えば翔子は、昔の自分が嫌いで、必死に努力したんだろう。
翔子の性格が変わったのも、その辺からだし。
翔子は、もしかしたら、僕がいじめられたのが、自分のせいだと思ってるかもな。
それで、よく話しかけてくるのかな?
文句ばっかりだし、今となってはモテモテになっている翔子に話しかけられると、目立つから迷惑なのに……
そういえば、イジメがなくなったのは何でなんだろう?
学校に行き出したのも、いつからだっけ?
嫌なことばっかりで、その辺の記憶が曖昧になっているけど……
あっ!また話しがそれた。
元に戻すよ。
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