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「我問う。貴様は自身を、正義とでも言うつもりか」
真っ黒の男は、膝を折り頭を垂れる少年に、大剣を突きつける。
その切っ先は、重く、鋭く。この世界さえも、両断してしまいそうだ。
「いい……え。世の中に本当の正義なんて存在しませんよ」
蒼い蒼い少年はポツリと。消えてしまいそうな声で。
それでも、空気を揺るがすには十分だった。
「でも、正義は絶対正しくて、悪が必ず間違ってるなんて、一体誰が決めたんでしょうね」
黒い渦の中に一筋の光がさす時、2人の物語は始まった。
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