両親の記憶

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『奏、お姉ちゃんの言うことをきいていい子にしててね。』 『外国のお土産かってくるからな。』 そういって、僕の頭を撫でた両親。 音楽家だった両親は年に1、2回、海外公演のために家を空けることがあった。 予定は2週間。 そう、2週間後には大好きな両親に会えるはずだった。 空港まで見送りに来た僕と姉はゲートをくぐる両親へ手を振って見送った。 それが、永遠の別れになるとも知らずに。 笑顔で『いってくるね』といった両親を見送ったのが、元気な両親をみた最後だった。
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