日常

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自分のチーズバーガーを頬張りながら、突然雅美がいい事を思いついたと言った。 「あ、そうか!奏の家で晩御飯を食べればいいんだ!」 「却下します。」 「え~!!」 「雅美からみれば僕の家は、キミの家の玄関みたいなものなの。来たって狭いだけだよ。」 「奏のケチ~!!狭いのは大丈夫だよ。あ、僕、家から霜降りのお肉持っていくよ!鍋なんてど・・・・」 「ダメだよ。僕の一存じゃ決められないんだから。」 雅美の言葉をさえぎっていうと、雅美はまた口をとがらせた。 「じゃあ、響さんがOKならいいの?」 「え!?うん・・・、まあ。」 僕があいまいな返事をすると、雅美は手に持っていたチーズバーガーを急いで口に含むんで教室を出て行ってしまった。 なんだったんだろう? 雅美があけていった教室の入り口をながめて、僕は首をかしげた。 そして、30分後・・・。 息を切らして、頬を紅潮させた雅美が戻ってきた。 「ふふん!響さんの許可とっちゃったからね!」 「え!?」 雅美は学校を抜け出すと、姉の勤める花屋までタクシーを飛ばして言ってきたのだと語った。 「『ふふふ。奏のお友達なら大歓迎よ。是非、遊びに来てね』っていってたよ。奏と同じ色素の薄いきれいな髪だよね。僕の家系ってみんな真っ黒で固い髪質だから憧れるなぁ~♪」 「・・・・・僕は、雅美の行動力に呆れたよ。休み時間つぶしてまですることなの?」 「どうせ、家に帰ったって頭の固い兄さまと生意気な弟しかいないんだからたまには違う環境に身をおきたいこっとってない?」 「ない・・・かな。」 僕を苦労して育ててくれている姉を思うと・・・遊びに行きたいとかそんな気になれない。まだ、アルバイトもできないから僕は奨学金の取れる成績を維持して、家のことを手伝うくらいしかできないのだから。 街をいくキレイな姉と同くらいの年代の女の人たちをみると、自分のことを二の次にしてしまってる姉の姿に気づく。 姉は美人だし、着飾ればそこらへんの女の人なんて目じゃないと思う僕は・・・シスコンなんだろうか。 そんなことを考えていると、午後の授業を知らせるベルが鳴った。
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