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しばらく、走った後。
「よし、着いた」
「えぇ!? ここ?」
着いたのは、とても大きなお城みたいな一軒家。
真奈美はこの家を知っているらしく、嫌な顔をしている。
「なんで、ここ?」
「そんな事言わずに降りろ」
シンに促され車を降りた。
まるでお城だ……家まで続く通路の側には、色とりどりの花が咲いていて、その奥に見える2階建ての洋風な建物。
お金持ちが住んでいる事は、間違ない。
入口側の駐車場から、家までが遠い。
「ここは?」
シンの隣りに何気なく並び、聞いてみると。
「ここ、あの馬鹿校長サクの家だよ」
と後ろから付いてくる真奈美が、ため息をつきながら答えた。
それより、亜紀は気になっていた。真奈美さんと校長先生はどういう関係なのか。
そういえば、昨日もいきなり真奈美の部屋にきていた事を思いだす。
聞こうと思ったが、振り返ると真奈美はなんだか機嫌が悪そうで、亜紀は聞くのをやめた。
あとで、シンに聞けばいいかと考えて。
ほんのりシンの香水の香り漂う。
なんだか幸せ……。
香水の香りで、側に居ることを改めて実感し、嬉しそうに亜紀はしていた。
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