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「危ないぞ」
何処を見て歩いているのか、今にも花壇に足を踏み入れてしまいそうな亜紀にシンは気付き、腕を引っ張った。
「考え事しながら歩いてると、ぶつかるか、コケるぞ」
「ごめんなさい」
「あついですねぇ~」
からかう様にいう真奈美をシンは無視していた。
「というか、無駄に遠い……ってかなんでサクの家!! あぁ」
真奈美はまたグチグチと文句を言い出したから、関わらないようにと、2人はササッと歩いた。
そんな亜紀にシンは、
「桜井は、あいつの天敵だから」
小声で教えてやった。
そして、やっと玄関前に到着。
白い石のインターフォンを押すと、中からスーツを着た50代くらいの男性が出てきて、案内してくれた。
もしかして、この人が最近話題になっている、ひつじってやつ? あっ執事か……。
亜紀は心の中で1人ノリつっ込みをしながら、案内されるまま、目の前にある大きな階段を上り2階へ、ステンドグラスや、白と金で装飾された天井は、綺麗すぎて眩しかった。
どんだけ金持ちなの……。
スタスタと、さっきとは違い前を行く真奈美の後ろを歩く。
なんだか、亜紀は場違いなきがして、思わずシンの洋服の裾をちょこんと掴んだ。
こんな家、来た事ないから……緊張する……。
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