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食事中はあまり会話はなかった。
「お腹いっぱい……」
もう食べきれないって程食べた亜紀を、シンは見て、
「良く食べるな」
と笑った。
いつも美味しそうに、幸せそうに食べる亜紀を見て居るだけで、シンは穏やかな気持ちになる。
一方亜紀は、食べてしまった後で遅いが、大食いなんて思われたくない、と恥ずかしそうにしていた。
「良かった喜んでくれて」
桜井は満足そう。
それから、また先程の部屋に移動して、寛いだ。
会話は案外盛り上がって、気がつけば、もう9時を過ぎている。
「そろそろ、帰るか」
「うん」
シンの一言で、御開きとなった。
帰り際、真奈美とシンから離れて亜紀がポツリと1人でいた時、桜井がそばにきて。
「細川の事、幸せにしてやってな、ずっと側に居てあげてよ! あいつ案外寂しがり屋みたいだし」
と亜紀の肩を叩いた、それに笑顔で『はい』と答るのを見て、桜井は笑顔で皆を見送った。
この時はまだ、桜井のこの言葉に、もの凄く深い意味があるなんて、亜紀は分からなかった。
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