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「次の方どうぞ~」
観覧車に乗り込む。
「観覧車、久し振りに乗る~」
嬉しそうにする亜紀を見て、シンも嬉しかった。
向かい合い座る2人。
本当は隣りに座りたいという気持ちがあったが、亜紀は恥ずかしくて言えずにいた。
頂上まで来ると、夜景がとてもキレイで。
「きれぇ……」
思わず見とれてしまう……静かな密室、ふと思った瞬間、少しずつ意識して、心臓の音が大きくなっていく、それでもう、亜紀はシンの事を見る事が出来なくなってしまった。
「……」
変に緊張しちゃうよ……。
「綺麗だな……」
「う……うん」
「緊張してるのか?」
なんですぐに先生は、分かってしまうの?
「ちっちがうもん」
シンは笑ってたけど、笑い事じゃない。なんて亜紀は心の中で言いながら、夜景をみていた。
仕方ないよね、ドキドキしちゃうのは……だって、普通に一緒に居れるんだもん。
なんだか新鮮で、ドキドキする。
「先生」
「亜紀、もう先生じゃないだろ? あの頃に戻りたいのか? 名前で呼んで」
「えっ!?」
いきなり言われて、どうしようかと戸惑っている。
そんな姿が、シンには懐かしく感じた。
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