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何の進展も無く時間が過ぎていく中、俺は考えた、今まで無いくらいかなり必死で。
確かに上田は男だ。そして俺も男。うん、無いよな。多分上田に好きなんて言った日にゃ、冷めた目で『.....馬鹿?』って言われるのは目に見えてる。
.....いや、俺が今考えるべき点はそこじゃないだろ。それより今のこの状況を、なんとかしないと...
俺は再び上田へと目をやった。相変わらず気持ちよさそうに眠っているその顔に、何故か俺の胸は高鳴る。
『.....んぅ...』
起きそうに無いな..
今なら何してもばれないんじゃないか?
邪な考えが頭をよぎった。
.......こんな感情、女にも持った事無いのに..
そう考えると、男相手にときめいてる自分がなんかすげ-嫌になる。
そんな雑念を振り払うようにブンブンと頭を振り上田を見つめても状況が変わるはずも無かった。
いつになったら起きるんだ..;流石の俺も、この体勢に疲れてきたんだけど。
『上田っ!!!起きろーっ!』
さっきよりも大きめの声でそう言いながら、ぴったりとくっついている上田の身体を揺すッてみる。
『.......煩い...』
薄く瞼を開けたかと思うと、一言呟きまた目を閉じてしまッた眠り姫。
........いやいやいや。
だから、とりあえず離れてくれないかな?
俺のそんな気持ちなんて一切無視で夢の世界へと舞い戻ってしまったようだ。
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