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夏も終わろうとする頃…
古めかしい家屋が建ち並ぶ町並みの中に一軒の古い屋敷が一際異彩を放ち存在していた。
その屋敷の門の脇に大きく掲げられている名前は
『一条組』
普段は閑静な民家にまぎれて数人の者達が出入りするだけのその場所は今、多くの者達の訪問を受け、その屋敷本来の独特な雰囲気に包まれていた。
訪れる客は皆、黒いスーツや紋付き袴を身に纏い、鋭い目をした貫禄の在る男たち。
見るものを圧倒するような男達は後ろに同じく黒いスーツに身を包む男達を引きつれ、次々とその屋敷に足を踏み入れる。
その屋敷では今、一条組の新たな若頭のお披露目が行われていた。
若干24歳の若い男が
『若頭』
という組の実質的な権力者になった事を祝うため、一条組の分家の組長をはじめその舎弟、交流のある組の者達がこぞって屋敷に集まってきていた。
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