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また"コード"とは、ギルドランクA以上の者しか入れぬ【オーバード】内でも更に上位の五人にのみ与えられる称号のようなものである。
ライガ「魔力がないお前を、誰が"コード"持ちだと認める?」
ゼロ「………」
ライガ「形だけでいいから、魔法学院に行ってくれ」
ライガの言うとおり、実力主義の社会でゼロのように魔力も無しに【オーバード】にいるのは、周りから非難を浴びるばかりなのである。
ゼロ「それだけじゃないんだろ? 俺を動かすんだ、それなりの理由があるはずだ」
ライガ「やはり分かるか」
ゼロ「ああ。最近の魔物は、まだ力の弱くて未熟な学生や子供を狙ってるからな。まるで若い芽を摘み取るように、な」
皆、事態の異常性を理解した表情をしている。
ライガ「では、改めてミッションを下す。"コード・概念殺しの殺戮鬼"、王都バイエルの魔法学院、クルセイド魔法学院の守護を命ずる」
ゼロ「却下ァ!!」
ライガ「何故に!?」
ゼロが真剣な表情していたので引き受けてもらえると思っていたのか、ライガはひどく驚いていた。
ライガ「他の奴らは皆、ミッションで出てるんだ。頼める奴は他にいないんだよ!」
ゼロ「クルセイドって言ったら貴族とかも多いし、学生も教員もそれなりの実力があるはずだろ?」
クルセイド魔法学院は、とてもレベルが高いことで有名な学院なのである。
ライガ「確かにそうだが、場慣れしてない奴がほとんどだ。それに、甘ちゃんばっかだから何とかして欲しいって学院長が言ってたんだよ」
ゼロ「でも、俺が適任だとは思えんな」
ゼロはカナメがいなければ魔法が扱えないため、戦闘において魔法という選択肢を持たないのである。
ライガ「だからこそ、だ。魔法の使えん奴に負けたら考え方が変わるだろ?」
ゼロ「………」
ライガ「行ってくれんか?」
ゼロ「はぁ、わかったよ。ったく」
いかにも面倒くさそうに答え、部屋を出ようとする。
ライガ「お、おい! 学院のこと知ってるのか?」
ゼロ「知ってるよ。いつからだ?」
ライガ「今日からだ」
ブチッ
ゼロ「ふ、っざけんなぁぁぁ!!」
ライガ「イギャァァァァァ!!!」
時刻は午前零時。ちょうど日が変わったところだ。
余談だが、その後ライガはしばらく絶対安静だったそうだ。
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