自らをそう呼ぶ男

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長い廊下を、アイル、ゼロ、カナメの順に歩いていた。 ゼロ「アイル、俺等の行く教室ってどこだ?」 アイル「五階の端の教室ですよ」 カナメ「五階、と言いますと最上階ですね」 アイル「えぇ。特体生クラスには、学力や魔法に長けた子だけが入っていることが出来るのよ」 アイルは少し自慢げに語る。 アイル「ゼロ君にカナメさん、あなた達は何が得意なの?」 特体生になるくらいなんだから、凄い能力を持っているのでしょう? と言った感じで訊いてくる。 カナメ「私は知識ですね。あと、光と闇属性の魔法が得意です」 アイル「光と闇ですか!? 珍しいですね!」 魔法には属性があり、火、水、雷、風、地、光、闇、の七つが存在している。 その他にも無属性と呼ばれる、転移魔法などがある。 得意属性というのは、適性のある魔法の属性で二つ以上あることは珍しいことなのである。 また他の属性に比べ、光と闇は適性がある人は少ない。 ゼロ「俺は戦闘能力かな。魔法は魔力が無いから無理」 アイル「え!? 魔力が無いってどういうことですか!?」 ゼロ「言葉通りだ。まぁ、魔法が使えなくても魔法使いよりは強いつもりだけど」 ひどく驚いていたアイルだが、すぐに冷静さを取り戻す。 アイル「そうですか……あ、教室に着きましたよ」 三人の前には特体生クラスを示す、Sクラスの表示があった。 アイル「では、私が呼びましたら入ってきて下さいね」 そう言ってアイルは教室へと入っていった。
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