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アスク「アーくんはあたしの弟なの!」
ティナ「違うよー! アーちゃんは私のお兄ちゃんなの!」
双子は長い緋色の髪を揺らし、蒼い瞳で睨み合いながら、アヴェルの腕を引っ張っていた。
アヴェル「引っ張らないでよ~」
眠たそうに目をしばしばさせながら、ガックンガックン頭を揺らしている。
アスク「アーくんは、あたしの弟だよね!?」
ティナ「アーちゃんは、私のお兄ちゃんだよね!?」
双子は、アヴェルの腕をガッチリ掴み込んでピッタリくっつく。
アスクからは気の強さを、ティナからは気の弱さを感じる表情が浮かんでいた。
アヴェル「アスクが産まれて、僕が産まれて、ティナが産まれたから、アスクはお姉ちゃんでティナは妹だよ」
そう言われた途端、双子の顔が輝かんばかりの笑顔に変わった。
アスク「アーくんは、弟なんだからずっとあたしと一緒にいてくれるよね!?」
ティナ「あっ、ずるい~。アーちゃんは、お兄ちゃんなんだからずっと私と一緒にいてくれるよね!?」
アヴェル「うん! ずっと一緒だよ!」
まだ5歳の三人は、それを疑うことなく毎日を過ごしていた。
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