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俺は部屋の窓を開け、頭上を見上げた。しかし、隣のマンションが障害になって空を仰ぎ見ることはできなかった。そして、そのまま部屋を出て玄関に向かった。
「青さん?またでかけるの?」
母は不思議そうに言った。
「参考書買ってくる。すぐ戻るから」
俺は母と目を合わせず、家を出た。
俺はいつもの場所へと向かった。誰にも邪魔をされず空が見える雑居ビルだ。この雑居ビルは俺の家から10分位のところにあり、なぜかいつも屋上が開いていた。
ここは俺にとって唯一の落ち着ける居場所だった。屋上に行くまでは階段を上がらなくてはならない。一段一段を踏みしめるように上る。空へ続く階段。そして、古びたドアをゆっくりと開けた。
ギイイイイィ
そこには、青色の世界が広がっていた。どんな日も変わらずそこにある空。俺は自分の心が穏やかになるのがわかった。
俺は屋上の真ん中で大の字になり目をつぶって寝そべった。
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