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店は厳しく、まだまだ下っ端だが、俺はこの店で働くのには理由がある。この店には俺の憧れの人がいるんだ。お皿とグラスを下げる時キッチンにいる憧れの人をちらりと見る。 ああ今日もヒナタさんはかっこいい! ヒナタさんはこの店のコックで、何ヶ月かいなくなることがあるのだが、またふらりと戻ってくる不思議な人。 料理の腕とセンスは抜群で、料理人としては目標の人だ。 でもそれだけではない。 根性なしの俺が働きだしてすぐ店を止めてしまおうか悩んでいた時、俺の話を何時間も聞き、諭してくれた。 ヒナタさんは人懐っこく、聞き上手で優しい人なのだ。料理人としてだけではなく、人としても目標なんだ。
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