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お店の事務所に着いた後、ヒナタは擦りむいた膝の手当てをしてくれた。 私は、ヒナタに足を見られるのが嫌で自分でするって言ったんだけどヒナタが笑顔で、 「さっき抱き合った仲なのに冷たいなあ」 なんて言うから、さっきヒナタに抱きついたことを思い出してしまった。私は、恥ずかしくて下をむいた。 「ヒナタのばか…」 「うん」 「時代遅れ」 「うん」 「むっつり」 「……うん」 ヒナタは、手当てをしながら、私の悪口に相づちをうった。 擦りむいた両膝は痛みがあったけど、胸の痛みはいつの間にか消えていた。
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