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2人で一緒に食器の片付けをした後、仕事にむかうヒナタを見送った。 「さて、と」 時計の針は9時を指し示していた。 私は身支度をするため、カバンを開いた。 最初に目についたのは音楽プレイヤー。手にとって電源をいれようとするが、画面は暗いままだった。少し前まで耳鳴りがして、これがないと一人で歩けなかった。 大丈夫、海。 一度自分を落ち着かせる。 私はこれがなくても一人で歩ける。 過去の自分と決別するように、私はその音楽プレイヤーをカバンに戻した。 大丈夫、大丈夫。 .
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