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最寄り駅に着き、見慣れた風景が広がる。 ざわめく街中を一歩一歩を踏みしめるように歩く。タケとの思い出がつまった場所。 タケの家までの見慣れた道がこんなにも緊張するなんて。 足取りが重く感じる。 駅に着いたことを伝えるためタケにメールを送った。すぐに返信があり、短く『わかった』とだけ記してあった。 Pコートのポケットの中には、タケの家の鍵。鍵が手に触れるとざわざわと胸が騒ぐ。 私は鍵をぎゅっと握りしめ、目的の場所を目指した。 .
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