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「タケ……?」
タケは私を見下げたまま何も言わなかった。でも、体を解放してくれるわけでもない。
こんな時でも私を決して責めない彼。
タケの気持ちを利用した汚い私。
唯一口にできた言葉。
「ごめんなさい」
タケは微動だにしなかった。まだ私をベッドの上に抑えつけたままで私の目を捉える。
「ごめんなさい、タケ」
泣いてはいけない。そう思うほど、感情が溢れだし、涙が頬をつたった。
とめどなく流れて、流れて。
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