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山根はグラウンドを見下げている俺の隣に座った。
少しの沈黙があった後、山根が口をひらいた。
「青お前は恵まれてんだぞ! 頭いいわ、顔いいわ、運動できるわ、家金持ちだわ、お前何がそんなに不満なの? 最近ずっとうわの空じゃん」
俺は、何も言わなかった。
恵まれていることはわかってる。でも俺からっぽなんだよ。自分がただの人形のように思うんだ。
「なあ、山根」
「なんだ?」
「……人ってなんで生きてんだろな?」
俺が生きてる理由ってなんだろう?
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