俺と幼なじみの新学年

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小鳥のさえずり……聞こえない。 窓からの日差し……届かない。 俺専用の目覚まし時計……鳴らない。 しかし六時キッチリに起きるのが俺だ。日差しが部屋に差し込んでこないのはカーテンを閉めているからである。 この俺、城石裕大(しろいし ゆうだい)はそこらにちらほら見られる普通の高校生。 ゲームの主人公や戦隊物のヒーロー達に憧れていた時もあった。彼らは恵まれている人間達である。 だが今の俺はそうは思わない。平凡な日常、この言葉が俺をどれだけ避けていったことか。 どこで道を間違えたのか。一歩でも正しければ優雅で呑気な生活を送っていたんだろう。 と、どうも冴えない頭から強引に言葉を考えた俺はノロノロと活動する。 なんせ寝起きは苦手なんでね。低血圧なんスよ。 早いとこ着替えとくか。俺はクローゼットの中の輝かしい制服を取り出した。 そろそろあいつが来る。
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