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外からの予想と実際に中へ入ってみるのとでは迫力にかなりの違いがあった。まるでホームのサポーター。
昼近くということもあってか体育館から生徒が溢れんばかりに出てきている頃。
これはかなり混みそうな予感。
「ヒナ、この手は絶対に離さないように」
「わかったー」
ヒナほど小さな女の子であると、はぐれた時この混雑した中で見つけるのは非常に困難。
そうならないためにも一緒にいることは大切だ。
「あ、ぬいぐるみさんだぁー」
俺の手を離し全速力で校舎に向かって走り出すヒナ。
言ったばかりだろ、オイ!
俺も小走りでヒナの後を追うと風船を配っている着ぐるみを着た生徒がいた。
ヒナは元気にその風船を受け取るとこちらへ帰ってくる。
「見て見て。風船貰っちゃったー」
ご満悦。
ふと着ぐるみと視線が合う。相手は何故か会釈。
風船を貰った感謝も込めて俺も一度頭を下げた。
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