俺と幼なじみの新学年

5/29
前へ
/256ページ
次へ
「とりあえず部屋から出な。俺は今から着替えるんだ」 「そのためのっ! 双眼鏡なんだよ」 ふふんと自信あり気に胸を張る。 「ほらほら、早く出る出る」 「あーん、もう」 紫音を引きずって部屋の外にほおり出す。コテンところげた瞬間に白い布が見えたようだが気にしない。 扉を閉め切り、いざ着替えを再開しようとすればまた同じ視線を感じた。 よく見れば閉めたはずの扉が微妙に開いてるじゃないですか。 「やめんか」 「あたしそんなにハァハァしてないもん」 絶対してるだろ。 「いつまでも覗きしてるんなら一緒に学校行ってやんないからな」 「あっ、トイレ行きたくなっちゃった。ちょっと借りるね」 紫音は一目散に逃げ出した。トイレというのもおそらく嘘だろう。
/256ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8628人が本棚に入れています
本棚に追加