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見れば男は、優しげに微笑んでいるにも関わらず、その顔からは威厳と威圧感が滲み出ている。
この男が第三師団、師団長その人である。
「うむ…
レイには、任務を言い渡したいのだが…」
「師団長
ここでは、名では無く、冷徹の死神と呼んで下さい」
レイは、自身の名を呼ばれ、すかさず反論をした。
「そのことだが、幹部会より、
『冷徹の死神』の二つ名を変更せよ
と御達示があった
だから、レイの二つ名を変更したいのだが…」
レイの反論を、無視しながら、師団長は言った。
「変更…ですか?」
「うむ
それで、レイの希望を聞きたい」
レイは、少し思案したが、いきなり言われた事なので、中々、考えは纏まらない。
「特に希望はありません」
「そうか…
ならば、私が考えていた二つ名でも良いか?」
レイの返答を予想していたのだろう。
師団長は、そう言った。
「構いません」
レイの答えを聞き、師団長は満足そうに微笑んだ後、真剣な顔に戻してから口を開く。
「汝、冷徹の死神こと、レイよ
汝が二つ名の変更を命ずる…
汝の二つ名はこれより『漆黒の道化』とする
異議申し立てはこの場でのみ受け付けるが、いかに?」
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