第六章

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見れば男は、優しげに微笑んでいるにも関わらず、その顔からは威厳と威圧感が滲み出ている。 この男が第三師団、師団長その人である。 「うむ… レイには、任務を言い渡したいのだが…」 「師団長 ここでは、名では無く、冷徹の死神と呼んで下さい」 レイは、自身の名を呼ばれ、すかさず反論をした。 「そのことだが、幹部会より、 『冷徹の死神』の二つ名を変更せよ と御達示があった だから、レイの二つ名を変更したいのだが…」 レイの反論を、無視しながら、師団長は言った。 「変更…ですか?」 「うむ それで、レイの希望を聞きたい」 レイは、少し思案したが、いきなり言われた事なので、中々、考えは纏まらない。 「特に希望はありません」 「そうか… ならば、私が考えていた二つ名でも良いか?」 レイの返答を予想していたのだろう。 師団長は、そう言った。 「構いません」 レイの答えを聞き、師団長は満足そうに微笑んだ後、真剣な顔に戻してから口を開く。 「汝、冷徹の死神こと、レイよ 汝が二つ名の変更を命ずる… 汝の二つ名はこれより『漆黒の道化』とする 異議申し立てはこの場でのみ受け付けるが、いかに?」
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