第六章

10/19
前へ
/115ページ
次へ
「その日から俺は漆黒の道化を名乗っている。 修吾さんは、それからすぐにグローリーを退団したんだ」 レイの話しを聞き、その場にいた皆は、やはり悲しそうな表情を浮かべたまま、沈黙している。 「漆黒の道化ってのはそんな意味があったんだな…」 ムードメーカーのシンですら、悲しげに顔を曇らせている。 「さて… 時間が結構立ったな 晩飯にするかな~ 皆も食べてくか?」 レイは、沈黙した空気を払うように、明るく言葉を発した。 レイの言葉を聞いて、全員が時計を確認すれば、時刻は8時30分… 夕飯時には少し遅かった。 「いいんですか?」 フィルの遠慮がちな声。 「もちろんです むしろ、食べていって下さい 一人での食事は味気ないですし」 フィルの問いに対しての答えは、了承と、お願い。 それを聞けば、その場にいた全員は断る事も出来ずに、ただ頷いた。 「じゃあ、造って来ますね? 俺とニアの話しは、ニアに聞いて下さい」 それだけを言って、レイはダイニングキッチンに向かった。 それに、フィル達も続く。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2404人が本棚に入れています
本棚に追加