第六章

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レイの言葉を聞き、男達は突然笑い出した。 「テメェみたいなガキに何が出来るんだ」 馬鹿にした風な声音で、一人の男が言った。 「交渉決裂か… まぁ、おとなしく返してくれるなんて思っちゃいないし… あんたら倒してお姫様の救出に洒落込みますか」 レイの姿が、呟きと共に消えた。 直後に、辺りに立っていた男達は、糸の切れたマリオネットのように地に付した。 「なんだてめぇは!!」 一人だけ残った男は、声を荒げ、聞いてきた。 「グローリー第三師団所属『漆黒の道化』 ニア・エクスフィア嬢の救出に来た… さぁ、返して貰おうか?」 レイは言葉と共に、殺気を放つ。 男は恐怖で顔を引き攣らせながらも、縄で縛った少女を手繰り寄せ、懐からナイフを取り出し、少女に突き付ける。 「く、来るんじゃねぇ… こいつがどうなっても良いのか!!」 男は少女を人質に取った。 「わかったよ… 俺はここを動かない それで良いか?」 レイは両手をあげながら、言葉を発した。 「ひ…ひひひ… そうだ それで良い」 男は、汚い笑みを浮かべ、懐に入っていた銃を取り出し、レイに向け、撃った。
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