第六章

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乾いた音が響き、レイが地に伏した。 「ハハハ ざまあみろ!!」 それを確認した男は、狂ったように笑い、掴んでいた少女を手放した。 「くくく 俺はグローリーの二つ名持ちを殺した! ハハハハハハ」 尚も狂った笑いが止まらない男は、ニアから離れ、レイに近づいた。 グローリーの隊員を殺した証拠を取ろうと謀ったのだろう。 だが… 「誰を殺したんだ?」 レイの飄々とした声が響いた。 「なっなんだと!?」 見れば、レイは平然と立ち上がり、男を見据えていた。 「ひっ…ば…化け物 来るなぁあ!!」 距離は5m 男は、狂乱しながらの発砲をする。 しかし、レイは全ての弾を避け切った。 「終わりだよ」 そして、男との間合いを一歩で詰め、腹部に拳を叩き込む。 それによって男は地に伏した。 それを見届け、縄によって縛られている少女に近づき、縄を解いた。 「お怪我は…ありませんか? ニア・エクスフィア嬢」 恭<ウヤウヤ>しくお辞儀をしてから聞いた。 少女は、縛られていたため、わからなかったが、レイよりも遥かに高い身長をしており、カッコイイ部類に入る顔立ち。 短めの髪と、少女には見えない。 「私は無事だ… それより、お前は大丈夫なのか?」 自身の身の心配よりも、レイに対して労るような声をかける。
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